田舎を拠点にアクティブに

田中裕子さん、ドゥモン・シリル・マキシムさん、田中琉生(るい)くん
前住所 ニュージーランド
(取材年日/2021(令和3)年3月7日)


▼ 人生を変えたワーキングホリデー
裕子さんは広島県廿日市市の出身。東京で会社勤めをしていた裕子さん、2010年にワーキングホリデーでオーストラリアへ行ったことが、美和町への移住のきっかけとなります。


▼ 新しい価値観
東京にいた頃は都会の生活を満喫していて、「田舎暮らしをするなんて微塵も考えていなかった」という裕子さん。
オーストラリアの旅の途中で、仕事がすべてではないという価値観や自然環境に配慮した暮らしに出会い、フランス出身のドゥモン・シリル・マキシムさんとも出会います。
そして、シリルさんと共にオーストラリアや日本国内を旅してまわりました。
2014年には琉生君が生まれ、2016年に家族揃ってニュージーランドから日本へやってきました。

▼ 美和の風景に一目惚れ
岡山県でお試し移住生活をした後、裕子さんの実家(廿日市市)に近くて自然豊かな居場所を探し求めます。
空き家バンクに登録されていた美和町の古民家が候補にあがり見学に来ると、古民家とその一帯の景色に一目惚れ。
迷わず移住を決めました。
みんなで古民家を改修したりカフェをやったり……夢が膨らみます。


▼ 片道50分の通勤生活
美和町の古民家を案内してくれた方のすすめもあり、山代地域の地域おこし協力隊として働き始めました。
「田舎の良さを知ってもらうために何かできるのは面白い!」と新鮮な気持ちで
奔走していた裕子さんですが、地域おこし協力隊の3年の任期を終える前に転職を決意しました。「任期を終えて、ここで私に何ができるんだろうと急に不安になったんです」という裕子さん。
2018年、美和町の外へ働きに出ることを決意します。
新しい仕事は、岩国米軍基地内での英語力を活かした仕事。月曜から金曜まで片道50分の通勤が始まりました。
もともとアクティブな裕子さん。しかし、冬場の真っ暗な行き帰りの道は大変で、「何のために田舎暮らしをしているんだろう…」と、田舎を満喫するシリルさんを横目に、気持ちが塞ぐこともあったのだとか。

▼ 自給自足だけが田舎じゃない
そんな生活の中でも、シリルさんのおかげで、日々美味しいお米やとれたて野菜や卵を食べられるようになりました。
でも、「お肉だって食べたいし、外食だってしたい」というのが裕子さんの本音。
実際、山道を抜けて広島までお肉を買いに出かけることや、外食をしに行くこともあります。
仕事帰りにスーパーに寄ることもできるし、インターネットや宅配もある。「不便に感じることはないですよ」と裕子さん。
自給自足的な暮らしも、会社勤めや便利な日常生活も、両方選べるのが美和町の良いところだといいます。


▼ ワクワクをもう一度
「岩国米軍基地の方にもここでの暮らしを楽しんでもらいたい」とも話す裕子さん。
ゆくゆくはオンラインを活用しながら美和町の古民家を拠点に活動することも考えているのだとか。
「いろんな人が遊びに来たり、若い人たちが移住して来てくれたら、もっとワクワクできるんじゃないかな」。

田中さんご家族に、田舎暮らしの生活はスローライフひとつだけではない、田舎を拠点に何だって挑戦できる!
そう教えてもらったような気がしました。

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