真っ赤に熟した由宇とまとと熱い想い

岡﨑昌秀さん
前住所 埼玉県
(取材年月日 2018(平成30)年11月16日)


▼ 農業に興味なし!
岡﨑さんは埼玉県で生まれ育ちました。大学を卒業後は介護の仕事に就き、やりがいを感じていました。
しかし「この仕事をずっと続けていけるのか」と不安があったといいます。
その頃、数年前に埼玉県から岩国市へUターンをしていた父親から「由宇町で農業をやってみないか」と話がありました。
父親が受け継いだ畑があり、ほったらかしにしているのはもったいないと、父親の提案でした。
農業にはあまり興味がなく一度は断ったのですが、相変わらず時間に追われ、複雑な人間関係に疲弊する毎日。
そんな時ふと、夏休みに家族で帰省した時、祖母がその畑で真っ赤なトマトをつくっていたのを思い出しました。
「岩国のブランド『由宇とまと』があり、新規就農者への支援制度も整っている。農業初心者でもチャンスがあるかもしれない」。
24才のときIターンを決意。
こうして、由宇町で岡﨑さんのトマト作りが始まりました。

▼ ストレスフリー
トマト作りスタートは農業研修でした。
農業大学での座学、トマト農家での実習と充実し、研修の2年間はあっという間。
研修を修了すると、まずはビニールハウスづくりから始めました。
そして、トマトを育てるだけでなく、販売ルートの管理や経理まで、すべて一人でやらなければいけません。
「農業を少し簡単に考えていたところもあるかも…」と岡﨑さんは苦笑い。
毎日やらなければいけないことがたくさんあります。埼玉で介護の仕事をしていた頃も、時間に追われていた毎日。
でも、その頃と一番違うのは「ストレスがないこと」と、話す笑顔はキラキラしています。


▼ 人との繋がり
埼玉での生活と違うことはもうひとつ。それは、人との繋がりです。
岡﨑さんと一緒に農業研修を受けた人が、隣のハウスでトマト作りに励んでいます。そのまた先では、由宇とまとをずっと昔から作っている大先輩もいます。
岡﨑さんたち若者は労力を貸し、ベテランの方からは、トマト作りの知恵を借りる。困ったときは助け合う関係が自然とできあがっているのだそうです。
「役所の人や農協の人も相談しやすい人が多い!」と驚く岡﨑さん。埼玉に住んでいた頃には想像できなかった、地域の人との繋がりができました。


▼ トマトに詰まった熱い想い
トマトは作り手によって味が違うといいます。なかには「この人が作った由宇とまとでないと!」と、熱いファンもいるほど。
トマト作りを始めて4年。トマト作りの基本がわかってきた今、これまでとは違う作り方に挑戦していきたいと意気込みます。
そして「岡﨑さんが作ったトマトでないと!」という熱いファンをつくっていきたいと目を輝かせ話してくれました。

どこかで由宇とまとを見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。
真っ赤に熟したトマトから、それぞれ作り手の熱い想いを感じることができるでしょう。

関連情報